先日のことです
わたしも義母もそれぞれ出掛ける予定があって
朝ご飯の後 せかせかと支度をしていました
駅で待ち合わせだという義母でしたが
お仲間数人が突然
待ち合わせの40分も前にピンポ〜ンと来訪!
「いやぁ 時間を30分間違えちゃってさ
駅にみんなが集まる時間まで上がらせてもらうよ」と
こちらの返事も待たず 靴を脱ぐM氏
登山クラブの俺さまリーダーのM氏には
義母もわたしも逆らえません
来客の予定がない日の
しかも わらわらと出かける支度をしている最中の
わが家のリビングというのは
あまりwelcomeな状態ではありません
なんとわたしはお化粧の途中でありまして…
大変慌てました
そんな話を長女にしたら
「兼好法師に笑われちゃうね」と…
今 古典の授業で徒然草の
「九月二十日(ながつきはつか)のころ」をやっているそうで
なかなか興味深いことを教えてくれました
兼好法師が高貴なお方に付き添って
お出かけしたときのお話で
その日 当初の予定になかった訪問先についてのことが書かれています
突然の訪問を受けた「その人」の住まいは
まさに「いつでも人を呼べる家」だったのです
生い茂る草に露がいっぱいおりている庭や
香の匂いがしっとり香るようす
ひっそりとした風流な暮らし方に兼好法師は心惹かれます
そして風流な「その人」はお客の見送り方さえも
相手への気遣いに溢れているとあります
客が帰ってすぐに錠をするのでは あまりに残念
だからといっていつまでも手を振るなどして見送ったのでは
相手に気を遣わせてしまうかもしれない
妻戸を少し開け 月を見ている様子で
お帰りになった相手を見送っているのだと…
「おもてなし」の美学を学んだ感じです
人を招くとなると
何となく構えてしまったり 気負いがあったり
「特別」をちょっと意識し過ぎてしまいます
でもそんな風におもてなしモード全開で迎えられるお客様は
もしかしたら結構緊張して
負担になることもあるんじゃないかなって…
相手に気を遣わせない招き入れ方って
なかなかできないものですが
ウチの義母はそういうの とても上手だと思います
強引なM氏の訪問にも決して気を悪くせず
「じゃあ コーヒーでも入れましょう」と余裕の笑顔
子どもたちのマンガ本などが
散らかっていたリビングでしたが
「散らかってるのよ」ではなく
「お掃除する前なのよ」と…
その言葉は 同居するわたし(ぐうたらな嫁ですが)への
配慮でもあるような気がして…
「いつでも人を呼べる家」って
自慢できるような「素敵なインテリアのお家」
ってことではないのかもしれません
自らを律した普段の暮らし方
いつも風流を愛でるゆとり
いろんな人への思いやりが さり気なく表れていて
それが訪問者にも心地よく感じられる
そんな風に住まう人の家なんだろうなぁと思いました
まぁ わたしなんかが にわか仕込みで
身に付けられるものではないんですけど…
わたしはいつも来客の前は大慌てです(^^ゞ
「風流に暮らしたいですなぁ」
と言う長女に視線を移すと
制服用のカッターシャツに下は部屋着のジャージ(~_~;)
そんな格好のアンタに風流をレクチャーされようとは…
すさまじきこと…です
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